「味」が変わると体も変わる。

今日は漢方の話。

今年は例年とは違い、忘年会や新年会、クリスマスパーティーがをやらない方が多いとは思うので、暴飲暴食をする機会が少ないでしょうね。でも、お肉やケーキ、お酒などを通常よりも食べることが多くなる時期です。

味のバランスが大事です。これは食べものを美味しくいただくということだけではなく、「味」そのものが体に影響が出てきます。

漢方で「五味」というものがあります。中国最古の薬の書物「神農本草経」や「素問」の中の言葉。味覚により体質や状態、養生法が分類されます。

■「五味の作用」

・「酸」は酸っぱい。収斂作用として、筋肉を引き締めたり、汗や尿の出過ぎを止める。

・「苦」はにがい、エグ味。清熱作用として、身体の熱を冷ましたり、炎症を抑える。瀉下作用として弁を下し出すなど。これらみたいに解毒作用があります。あとは物を固める働きがあります。

・「甘」は甘い。補益作用として滋養強壮。緩和作用として痛みを止め緊張を緩める。

・「辛」は辛い。発散作用として、滞っている物を発散させ、気血の流れを促進する。

・「鹹」は塩味。軟堅作用で硬い物を軟らかくする。潤下作用で便通を良くしていきます。

■「五味」で取り過ぎ、味の好みでどうなる?

・「酸」の取り過ぎで、汗をかきにくくなる。そして、便秘傾向になる。筋が疲れる。舌がもつれる。

・「苦」の取り過ぎで、身体が冷えやすくなる。皮膚が乾燥する。体毛が抜ける。

・「甘」の取り過ぎで、むくみや肥満になりやすい。骨が弱る。髪が抜ける。

・「辛」の取り過ぎで、怒りっぽくなる。爪が割れやすい。

・「鹹」の取り過ぎで、むくみやすくなる。動悸が出やすくなる。顔色が悪くなる。

■内臓が弱っている時に気をつけること。(相克関係)

・脾(胃)が弱っている人は、「酸」を取り過ぎてはならない。

・肺(大腸)が弱っている人は、「苦」を取り過ぎてはならない。

・腎(膀胱)が弱っている人は、「甘」を取り過ぎてはならない。

・肝(胆)が弱っている人は、「辛」を取り過ぎてはならない。

・心(小腸)が弱っている人は、「鹹」を取り過ぎてはならない。

■どのような味の食べ物が養生になる?

・脾(胃)が弱っている人は、「甘」の味を求め、「甘」が脾(胃)を栄養する。

・肺(大腸)が弱っている人は、「辛」の味を求め、「辛」が脾(胃)を栄養する。

・腎(膀胱)が弱っている人は、「鹹」の味を求め、「鹹」が脾(胃)を栄養する。

・肝(胆)が弱っている人は、「酸」の味を求め、「酸」が脾(胃)を栄養する。

・心(小腸)が弱っている人は、「苦」の味を求め、「苦」が脾(胃)を栄養する。

◾️どのような味が内臓を助ける?(相生関係)

・「酸」は心(小腸)を助長する。

・「苦」は脾(胃)を助長する。

・「甘」は肺(大腸)を助長する。

・「辛」は腎臓(膀胱)を助長する。

・「鹹」は肝(胆)を助長する。

このように味で体調を知ることができたり、養生ができたりしてきます。そして、味に偏りが出てきたりすると体にも影響が出てきます。

食材にもそれぞれ特性があり、この考えをを組み合わせたものが薬膳などになりますが、今回は「味」だけに注目しました。

激辛が好きという人がいます。もしかして肺(大腸)が弱っているかも知れませんが、辛いのを食べ過ぎると怒りっぽく、爪が割れやすくなるかも知れません。

むくみでお悩みで来店されるお客様に尋ねると、やはり、甘いものが好きだったり、塩辛いものが好きという傾向があります。

いけないことだけではありません。どの味が食べたいかと客観的に知ることができ、養生が出来ます。しかし、食品添加物や調味料など進化した今は、脳に働きかける味も出てきました。それにより、体の要望だけでなく、脳が快楽の為に要望するケースがあります。これには気をつけましょう。

味はバランスが大事です。

特に、味の変化が起こりやすい年末年始を迎えます。味の好みや偏りが過ぎないようにしてくださいね。

振骨小顔センター

大渕

振骨小顔センターのホームページはこちら。

大学在学中の怪我がきっかけで、整体の道を志す。 整体・カイロの手技で評判に。「小顔矯正もやってみたら。」との一言をきっかけに研究がスタート。 漢方、氣功、ヨーガ、武道との理論と矯正の共通点に気づく。 呼吸の力を利用し、身体に負担をかけない矯正で喜ばれている。

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